丸い形に毛が抜け落ちてしまう病気です。
円形脱毛症の原因には自己免疫疾患、アトピー素因、ストレス、遺伝的素因、甲状腺の異常や抜毛癖などが知られていますが完全にはわかっていません。重症例の多くは自分の白血球が毛根を傷害してしまう自己免疫によるとされています。
本人は気がつかず知人、家族や美容院で指摘されることが多いようです。

ほとんどは3−6か月で改善しますが、稀に難治性のものや広範囲に拡大してしまう事があります。

治療法は

外用剤
ステロイド剤
フロジン液
内服薬
抗アレルギー剤
循環改善剤
ステロイド剤
その他
液体窒素療法
紫外線照射(エキシマライト)

などが知られています。

紫外線療法は、免疫調節作用で高い有用性が認められており、当院ではエキシマライトを照射しています。

重症円形脱毛症の新規治療

広範囲(50%以上)の脱毛が続き、6ヶ月以上再生が見られない重症な患者さんには新しい治療法が認可されました。過剰な免疫反応を抑える内服薬のバリシチニブ(オルミエント®)です。Jak(ヤヌスキナーゼ)阻害薬という白血球や皮膚の細胞がつくる様々な炎症を引き起こすサイトカインや増殖因子の機能を抑制する内服薬です。免疫力を抑制するところからウイルス性肝炎、結核などの有無を検査(胸部レントゲン:当院は院内で可能、血液検査など)のうえ使用します。帯状疱疹などウイルス感染症や白血球減少などへの注意が必要なため、専門的な皮膚科医のもとで、定期的な病状の観察と検査を行いながら治療することが必要です。新しい薬剤のため薬剤費は高くなります。